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コラム
COLUMN
2026.06.15(Mon)

Web制作の提案で受注率を上げる方法|受注率70%超を実現する理由

この記事の要点(3つの結論)

  1. 受注率は「提案書の見た目」では決まらないWeb制作の受注率を左右するのは、提案書の体裁ではなく、その手前にある「ヒアリングと課題定義の精度」です。相手の課題を正しく言い当てられていれば、提案は自然と刺さります。逆に、課題の捉え違いはどれだけ立派な資料でも覆せません。受注率向上は、提案前の準備から始まっています。
  2. 刺さる提案書には決まった「型」があります。現状認識→課題の定義→解決の方針→具体策→体制→見積り→期待効果という流れで、相手の頭の中を整理しながら意思決定へ導く構造です。価格は単独で見せず、得られる価値とセットで提示することで「高い/安い」の議論から抜け出せます。
  3. 当社の場合、提案からの受注率は70%以上を維持しています。その理由は、業界別担当制で課題理解が深いこと、デザイン提案に戦略設計を含めていること、そして提案して終わりではなく公開後まで伴走することです。「作る会社」ではなく「成果に責任を持つパートナー」として提案するから、選ばれ続けています。

「いい提案をしているはずなのに、なかなか受注に至らない」。Web制作に携わる方から、こうした相談をよく受けます。デザインの質は悪くない。価格も相応。それでも決め手に欠け、競合に流れてしまう――。

この記事は、提案からの受注率を本気で上げたい方に向けて、当社の現場で実際に効いている考え方とノウハウを体系的にまとめたものです。ヒアリング、課題定義、提案書の構成、見積りの見せ方、意思決定者への対応まで、順を追って具体的に解説します。当社は業界別担当制で年間250サイト以上の制作・改善に関わり、提案からの受注率70%以上を維持しています(当社の場合)。その背景にある理由も、ノウハウの一部として正直にお伝えします。なお本文中の数値は当社の場合の傾向であり、すべての企業に当てはまるものではない点はご了承ください。

なぜ提案が「刺さらない」のか

受注率を上げる方法を語る前に、まず多くの提案が失敗する理由を押さえておきましょう。原因が分かれば、打ち手は自然と見えてきます。

提案が通らない3つの典型パターン

受注に至らない提案には、共通した型があります。一つ目は「相手の課題ではなく、自社のやりたいことを話している」。二つ目は「価格の安さだけで勝負しようとしている」。三つ目は「提案が一般論で、その会社向けになっていない」。いずれも、相手の心が動かない構造になっています。

失敗パターン 相手が感じること 本来あるべき姿
自社都合の提案 「結局、売りたいだけ?」 相手の課題起点で語る
価格勝負 「安いけど大丈夫?」 価値とセットで価格を示す
一般論の提案 「どこにでも言えること」 その会社固有の話にする

「提案」と「見積り提出」は違う

意外と多いのが、見積りを出すことを提案だと思っているケースです。料金表を渡すだけでは、相手は価格でしか比較できません。提案とは、相手の課題を整理し、解決の道筋を示し、「この会社となら解決できそうだ」と感じてもらう一連の流れです。ここを混同すると、価格競争から抜け出せません。

当社の見解

当社の場合、受注率が高い最大の理由は「提案書が立派だから」ではありません。提案の前段、つまり相手の課題を深く理解する工程に時間をかけているからです。課題が正確に言語化できていれば、提案は半分終わっています。資料はその要約にすぎません。

受注率を決めるのは「提案前のヒアリング」

提案の成否は、実は提案書を書く前にほぼ決まっています。鍵を握るのが、最初のヒアリングです。ここでどれだけ深く相手を理解できるかが、すべての土台になります。

表面的な要望の奥にある「本当の課題」を掘る

クライアントが最初に口にするのは、たいてい「手段」です。「サイトをリニューアルしたい」「おしゃれにしたい」。しかしその奥には、必ず本当の目的があります。「採用がうまくいかない」「問い合わせが減った」。この本音まで掘り下げられるかが、提案の質を決めます。

ヒアリングで聞くべき本質的な問い

「なぜ今、それをやりたいのですか」「それが解決したら、何が変わりますか」「うまくいっているかは、何で判断しますか」。手段ではなく目的と成果を問うことで、相手自身も気づいていなかった課題が見えてきます。

ヒアリングで押さえる項目

場当たり的に聞くのではなく、確認すべき項目を決めておくと、抜け漏れなく深掘りできます。背景・目的・ターゲット・現状の課題・成功の基準・予算感・意思決定の体制。これらを一度の対話で立体的に把握できると、提案の精度が一気に上がります。

  • 背景:なぜ今、取り組もうとしているのか
  • 目的:最終的に何を実現したいのか
  • ターゲット:誰に届けたいのか
  • 現状の課題:何がうまくいっていないのか
  • 成功の基準:何をもって成功とするのか
  • 予算・スケジュール感:現実的な制約
  • 意思決定者:最終的に誰が決めるのか

そのまま使えるヒアリング質問リスト

項目を質問の形に落とし込んでおくと、商談で迷いません。以下は、当社が実際に意識している問いを整理したものです。状況に応じて取捨選択し、対話の流れを止めないよう自然に織り込んでいきます。

確認したいこと 具体的な質問例
背景 「なぜ今のタイミングで取り組もうと思われたのですか」
目的 「これが実現したら、社内の何が一番変わりますか」
現状の課題 「今、一番うまくいっていないと感じる部分はどこですか」
成功の基準 「うまくいったかどうかは、何を見て判断されますか」
意思決定 「最終的には、どなたが決定される流れになりますか」
制約 「予算や公開時期で、外せない条件はありますか」

質問の順番は、答えやすい背景から入り、徐々に核心へ近づけるのがコツです。いきなり予算や決裁者を問うと身構えられます。まず相手の困りごとに共感し、信頼が生まれてから踏み込むと、深い話を引き出しやすくなります。

「聞く力」が信頼を生む

良いヒアリングには、副次的な効果があります。深く的確な質問をされると、相手は「この人は分かっている」と感じます。この信頼感が、提案を受け入れる土台になります。話す力より聞く力が、受注率を静かに押し上げるのです。

当社の見解

当社が業界別担当制をとっているのは、まさにこのヒアリングの質を上げるためです。同じ業界を多く見ている担当なら、相手が言葉にできない課題を先回りして言い当てられます。「うちの業界を分かっている」という安心感が、提案前から信頼を生み、受注率に直結します。

課題定義――提案の「背骨」をつくる

ヒアリングで集めた情報は、そのままでは使えません。整理し、「この会社の本質的な課題はこれだ」と一文で言い切れる状態にする。この課題定義こそが、提案全体の背骨になります。

課題を「相手の言葉」で言い当てる

課題定義で大事なのは、相手がうなずく形に翻訳することです。「集客できていない」では曖昧すぎます。「サイトに人は来ているが、問い合わせ前に離脱している。受け皿の設計に課題がある」。ここまで具体化できると、相手は「そう、それが言いたかった」と感じます。

課題を言語化する手順

課題の言語化には、たどると外しにくい手順があります。まず事実を集め、次に「なぜそうなっているか」を掘り、最後に「だから何を解決すべきか」へ収束させます。事実→原因→解決すべき一点、という流れを踏むと、感覚ではなく論理で課題を定義できます。

このとき、課題を欲張って増やさないことも重要です。あれもこれもと並べると、提案の焦点がぼやけます。最も解決すべき一点に絞り込むからこそ、提案に芯が通り、相手の意思決定も早まります。捨てる勇気が、提案の説得力を生みます。

課題が定まると、提案がぶれない

課題が一文で定義できていれば、その後の提案はすべてそこに紐づきます。デザインも、機能も、見積りも、「この課題を解決するため」という一貫した理由を持てます。逆に課題が曖昧だと、提案は要素の寄せ集めになり、説得力を失います。

悪い課題定義 良い課題定義
「集客できていない」 「流入はあるが、CV導線が弱く問い合わせ前に離脱している」
「古い感じがする」 「デザインが現在の顧客層とずれ、信頼感を損ねている」
「採用が弱い」 「求職者が知りたい情報が不足し、応募前に離脱している」

課題定義は相手と一緒に確認する

定義した課題は、提案前に相手とすり合わせておくと強力です。「私たちはこう課題を捉えましたが、認識は合っていますか」と確認することで、提案の土台に合意が生まれます。土台が共有できていれば、その上の提案はほぼ通ります。

刺さる提案書の構成

課題が定まったら、それを提案書に落とし込みます。提案書には、相手の意思決定を後押しする「型」があります。流れに沿って構成するだけで、説得力は大きく変わります。

提案書の基本構成

おすすめの順序は、現状認識→課題の定義→解決の方針→具体策→体制→スケジュール→見積り→期待効果です。相手の現状を映し出し、課題を共有し、解決策へと導く。相手の頭の中を整理しながら、自然に「やろう」へ向かわせる構造です。

構成 役割 ポイント
現状認識 「分かってくれている」と感じさせる ヒアリング内容を反映
課題の定義 提案の背骨を共有する 一文で言い切る
解決の方針 大きな方向性を示す 戦略レベルで語る
具体策 何をするかを示す 課題と紐づける
体制・進め方 安心して任せられると示す 誰がどう関わるか
見積り 投資判断の材料 価値とセットで
期待効果 未来を想像させる 過度な約束はしない

各章をどう書くか――章立てテンプレ

構成の各章には、書くべき中身の目安があります。テンプレとして持っておくと、毎回ゼロから悩まずに済みます。とはいえ機械的に埋めるのではなく、その案件固有の事実を必ず織り込むことが、ありきたりにしないコツです。

  • 現状認識:ヒアリングで聞いた事実を、相手の言葉で要約する
  • 課題の定義:解決すべき一点を、一文で言い切る
  • 解決の方針:細部より「どう向き合うか」の方向性を示す
  • 具体策:施策を箇条書きにし、それぞれ課題と結びつける
  • 体制・スケジュール:誰がいつ何をするかを明示する
  • 見積り:内訳と、それで解決する価値を併記する
  • 期待効果:誇張せず、現実的な変化を描く

冒頭で「この提案は自分たちのものだ」と思わせる

提案書は最初の数ページが勝負です。冒頭で相手の現状と課題を正確に映し出せれば、「これは自分たちのための提案だ」と引き込めます。逆に、ありきたりな会社紹介から始まると、その時点で他社と同じ箱に入れられてしまいます。

デザインは「課題解決の手段」として見せる

制作会社の提案では、デザイン案を見せたくなります。しかしデザインだけを前面に出すと、好み勝負になってしまいます。「この課題を解決するために、この見せ方にした」という理由とともに提示することで、デザインが説得材料に変わります。

当社の見解

当社の提案がデザイン提案に戦略設計を含めているのは、好みの議論を避けるためです。「なぜこの構成・配色・導線なのか」を課題から説明できれば、相手は感覚ではなく納得で判断できます。これが、受注率を安定させている要因の一つです。

見積りの見せ方

提案の終盤で、多くの案件が価格でつまずきます。見積りは「いくらか」を伝える紙ではなく、「この投資には価値がある」と納得してもらうための重要なパートです。

価格を単独で見せない

金額だけを提示すると、相手は「高い」か「安い」でしか判断できません。価格は必ず、得られる価値とセットで見せます。「この費用で、こうした課題が解決し、こういう状態になる」。投資対効果の文脈に置くことで、価格の議論から抜け出せます。

  • 総額だけでなく、内訳と「何にいくら」を明示する
  • 価格の隣に、それで解決する課題を併記する
  • 松竹梅の3案を用意し、相手に選ばせる
  • 公開後の運用・保守も含めた全体像を示す

内訳を見せて「不透明さ」をなくす

総額だけをぽんと出すと、相手は「何にこの金額がかかるのか」と身構えます。設計・デザイン・実装・運用と内訳を分け、それぞれが何のための費用かを添える。透明性が高いほど、相手は安心して投資判断ができます。不明瞭さは、それ自体が失注の原因になります。

「3つの選択肢」で主導権を渡す

1つの見積りだけだと「やるか・やらないか」の判断になります。松竹梅の3案を用意すると、相手の検討は「どれにするか」に変わります。選択肢を与えることで、相手は主体的に選んでいる感覚を持ち、受注の確度が上がります。

プラン 位置づけ 狙い
松(手厚い) 理想形を提示 価値の上限を見せる
竹(標準) 最も推奨したい案 本命として選ばせる
梅(最小) 最低限の選択肢 予算重視層の受け皿

安さで取りに行かない

価格を下げれば受注しやすくなる、と考えがちですが、これは長期的には逆効果です。安さで取った案件は、価格でしか評価されず、関係も続きません。価値で選んでもらえれば、適正な利益が確保でき、結果としてより良い成果を返せます。

当社の見解

当社が価格勝負をしないのは、安さで選ばれた関係は成果につながりにくいと知っているからです。当社の場合、見積りは必ず「解決する課題」とセットで提示します。価格ではなく価値で合意できた案件ほど、公開後の成果も、関係の継続も良好です。

提案準備の段取り――商談前にやるべきこと

受注率の高い人は、商談の場で勝っているのではありません。商談に臨む前の準備で、すでに差をつけています。ここでは提案前の段取りを具体化します。

事前リサーチで「分かっている感」を作る

商談前に、相手の事業・競合・市場をひと通り調べておきます。サイトを見て課題の仮説を立て、業界の動向にも目を通す。準備の跡が見えるだけで、相手の信頼は大きく変わります。「うちのことを調べてくれている」という印象が、提案の入り口を開きます。

  • 相手の現サイトを見て、課題の仮説を立てておく
  • 競合数社のサイトをチェックし、差別化点を探す
  • 業界の動向や顧客層の傾向を押さえておく
  • 想定される質問・反論への答えを準備しておく

リサーチは時間をかけすぎる必要はありません。短時間でも、相手のサイトを一通り見て課題の当たりをつけ、競合を数社眺めるだけで十分です。大切なのは情報量より、相手のために調べたという姿勢が伝わること。準備の跡は、必ず相手に届きます。

仮説を持って臨み、ヒアリングで検証する

準備で立てた課題仮説は、商談で答え合わせをします。「御社の課題はこうではないですか」と仮説を投げかけると、対話が一気に深まります。当たっていれば信頼が増し、外れていても、そこから本当の課題が見えてきます。白紙で臨むより、はるかに濃い対話になります。

当社の見解

当社の場合、業界別担当制が活きるのはこの準備段階です。同じ業界を多く見ているため、商談前の仮説の精度が高い。結果として、初回の対話から核心に入れます。準備の質こそ、受注率を支える見えない土台だと考えています。

競合提案との差別化

多くの案件は、複数社が比較される相見積もりです。同じ土俵で並べられたとき、何で選ばれるのか。差別化の考え方を持っておくと、価格以外の軸で勝てるようになります。

「何を作るか」ではなく「どう考えるか」で差をつける

提示する機能やデザインは、競合と大きくは変わらないことが多いものです。差がつくのは、その手前の「課題の捉え方」です。同じ依頼でも、相手も気づいていなかった本質を言い当てられれば、それだけで一歩抜け出せます。思考の深さが、最大の差別化要因です。

差別化のポイントを整理する

差別化は、感覚ではなく要素に分解すると再現できます。課題理解の深さ、提案の具体性、体制の安心感、公開後の関わり方。これらのどこで勝てるかを意識して提案を組み立てると、相手の中で「この会社は違う」という印象が生まれます。

差別化の軸 競合に埋もれる提案 抜け出す提案
課題理解 言われた要望をそのまま受ける 本質的な課題を言い当てる
具体性 一般論で語る その会社固有の話にする
体制 誰が担当か曖昧 進め方と担当を明示
公開後 納品して終わり 運用・改善まで伴走

当社の見解

当社が競合と並んだとき選ばれるのは、機能やデザインの差ではなく「課題の捉え方の深さ」だと感じています。業界を分かっているからこそ、相手の言葉になっていない悩みを先に言える。この一点が、相見積もりの場で効いてくると考えています。

提案を「伝わる」ものにする話し方・見せ方

良い中身も、伝わらなければ意味がありません。提案の説得力は、内容と同じくらい「どう伝えるか」に左右されます。

専門用語をかみ砕く

制作側にとって当たり前の言葉も、相手には通じないことが多いものです。専門用語をそのまま使うと、相手は理解できないまま判断を迫られ、不安になります。誰にでも分かる言葉に翻訳して語ることが、納得を生み、受注につながります。

「相手が主役」のストーリーで語る

提案は、自社の実績自慢の場ではありません。主役はあくまで相手です。「御社がこう変わる」という物語の中で、自社はその実現を支える存在として登場する。この構図にすると、相手は自分ごととして提案を聞いてくれます。

伝え方 NG例 OK例
主語 「当社の強みは…」 「御社はこう変わります」
言葉 専門用語のまま 誰でも分かる言葉に翻訳
構成 機能の羅列 課題→解決の物語

「沈黙」を恐れない

提案中、相手が考え込む沈黙は悪いものではありません。むしろ真剣に検討しているサインです。間を埋めようと話し続けず、相手が考える時間を尊重する。落ち着いた態度そのものが、信頼感につながります。

資料は「読ませない」つくりにする

提案資料は、文字で埋め尽くすほど伝わりにくくなります。要点を大きく、根拠を小さく。一枚で言いたいことが一つ伝わる構成にすると、相手は迷わず理解できます。読ませる資料ではなく、見ただけで伝わる資料を目指しましょう。

とくに金額や効果は、図や表で見せると一気に分かりやすくなります。担当者が社内で共有するときも、視覚的に整理された資料は説明しやすいものです。見やすさは、それ自体が「仕事の丁寧さ」を伝えるメッセージになります。

意思決定者への対応

提案がどれだけ良くても、決める人に届かなければ受注には至りません。誰が・どう決めるのかを理解し、そこに合わせて動くことが、最後の関門です。

「目の前の担当者」と「決裁者」は違う

商談相手が必ずしも最終決定者とは限りません。担当者が社内で稟議を上げるケースは多く、その場合、提案書は「担当者が上司を説得する道具」になります。だからこそ、担当者が社内で説明しやすい資料を作ることが、受注率を左右します。

担当者を「社内の味方」にする

提案は、目の前の担当者を通じて決裁者に届きます。担当者が「これなら上司に通せる」と思える資料――投資対効果が明快で、リスクへの備えも示されたもの――を渡すことが、見えない決裁者を動かす近道です。

稟議を通すための資料づくり

担当者が社内で稟議を上げる場面を想像して資料を作ると、通る確率が上がります。決裁の場では、担当者は提案者の代わりに説明することになります。だからこそ、要点が一枚で伝わるまとめや、投資対効果が一目で分かる図を用意しておくと、社内での説明がぐっと楽になります。

稟議で止まる典型は、「費用の根拠」と「失敗したときの備え」が説明できないケースです。内訳の妥当性と、リスクへの対応をあらかじめ資料に盛り込んでおく。担当者が答えに詰まらない状態を作ることが、見えない決裁者を動かします。

決裁者が気にすることに先回りする

決裁者の関心は、現場とは少し違います。「投資に見合うのか」「失敗したらどうなるのか」「他社とどう違うのか」。こうした問いに、提案書の中であらかじめ答えておく。先回りして不安を消すことで、稟議が止まりにくくなります。

立場 気にすること 提案での対応
担当者 進めやすさ・社内説明のしやすさ 説明しやすい資料を用意
決裁者 投資対効果・リスク・差別化 不安に先回りして答える
現場利用者 運用のしやすさ 公開後の体制を示す

反論や懸念には正面から答える

提案の場では、相手から疑問や懸念が出ることがあります。これは関心の裏返しであり、歓迎すべきサインです。はぐらかさず、正面から誠実に答えること。きちんと向き合う姿勢そのものが、任せても大丈夫だという安心につながります。

とくに「本当に効果が出るのか」という不安には、断言ではなく根拠で応えます。過度な約束はせず、なぜそう考えるかを課題と紐づけて説明する。誠実さと論理の両方を示せると、相手の不安はぐっと小さくなります。

クロージングは「背中を押す」だけ

ここまで丁寧に進めていれば、最後に強引な押し込みは不要です。相手の不安が残っていないかを確認し、次の一歩を明確に示すだけで十分です。「では、この方針で進めましょう」と自然に言える状態こそ、良い提案ができている証拠です。

失注の典型例と対策

受注率を上げるには、勝ちパターンだけでなく負けパターンも知っておく必要があります。失注には繰り返し現れる型があり、原因が分かれば多くは防げます。

よくある失注パターン

失注の原因は、価格そのものより手前にあることが多いものです。課題の捉え違い、決裁者への配慮不足、フォロー不足。これらは技術ではなく、進め方の問題です。だからこそ、意識すれば改善できる余地が大きい部分でもあります。

失注パターン 本当の原因 対策
「高い」と言われた 価値が伝わっていない 価格を価値とセットで示す
「検討します」で音信不通 決裁者を説得できていない 稟議を通せる資料を用意
競合に流れた 課題理解で差をつけられた 本質的な課題を言い当てる
そもそも温度が低い ヒアリング不足で必要性が共有できていない 「なぜ今」を一緒に言語化

失注を「次の受注」に変える

受注できなかった案件こそ、貴重な情報源です。「なぜ選ばれなかったのか」を率直に聞ければ、次の提案が確実に改善します。失注を感情的に受け止めず、データとして次に活かす。この積み重ねが、長期的な受注率を底上げします。

当社の見解

当社の場合、受注率は一夜にして上がったものではありません。一件ごとの提案を振り返り、失注理由を分析し、改善し続けた結果です。提案は技術であると同時に、改善し続ける営みです。だからこそ、誰でも取り組み次第で受注率は上げられると考えています。

Acsportが受注率70%以上を実現する理由

ここまでのノウハウは、当社が日々実践しているものです。最後に、なぜ当社が高い受注率を維持できているのか、その構造をお伝えします(数値は当社の場合)。

理由1:業界別担当制による課題理解の深さ

当社は業界別の担当制をとっています。同じ業界を数多く手がける担当だからこそ、相手が言語化できない課題を先回りして捉えられます。「この業界を分かっている」という信頼が、提案前から生まれる。これがヒアリングと課題定義の精度を支えています。

理由2:デザイン提案に戦略設計を含める

当社の提案は、見た目だけのデザイン案ではありません。「なぜこの構成・導線・配色なのか」を、課題と成果から説明します。好み勝負を避け、納得で判断してもらえるため、提案が感覚で却下されることが減ります。

理由3:提案して終わりではなく、公開後まで伴走する

当社は「作って納品して終わり」ではありません。公開後の運用・改善まで伴走することを前提に提案します。相手にとっては、一度きりの取引相手ではなく、成果に責任を持つパートナーに見える。この姿勢が、価格を超えた信頼を生みます。

理由4:相場の約半額でも品質を落とさない仕組み

当社の場合、制作費は相場の約半額に抑えつつ、品質は妥協しません。業界別担当制で蓄積した知見を再利用し、無駄な工程を省くことで実現しています。価格が手頃でありながら戦略まで含む提案であるため、価格と価値の両面で選ばれやすくなります。

当社の見解

受注率70%以上(当社の場合)という数字は、テクニックの結果ではありません。課題を深く理解し、戦略まで含めて提案し、公開後も責任を持つ――この一貫した姿勢の積み重ねです。「作る会社」ではなく「成果に伴走するパートナー」だと伝わるから、選ばれ続けているのだと考えています。

選ばれる制作会社が何を備えているかは、発注者側の視点からも整理できます。ホームページ制作会社の選び方の記事も、提案する側の自己点検に役立ちます。発注者が何を見ているかを知るほど、提案は的を射たものになります。

提案後のフォローと長期的な受注力

受注率を本当に高めたいなら、一件ごとの提案だけでなく、その後のフォローと積み重ねにも目を向ける必要があります。

提案後の「待ち時間」を放置しない

提案して返事を待つだけでは、検討が止まりがちです。適切なタイミングで、押し付けにならない形でフォローを入れます。「ご不明点はありませんか」「追加の資料は必要ですか」。相手の検討を支える姿勢が、決定を後押しします。

失注からも学びを得る

受注できなかった案件こそ、貴重な情報源です。「なぜ選ばれなかったのか」を率直に聞ければ、次の提案が確実に改善します。失注を感情的に受け止めず、データとして次に活かす。この積み重ねが、長期的な受注率を底上げします。

当社の見解

当社の場合、継続率は90%以上を維持しています。これは一件ごとの提案を振り返り、改善し続けてきた結果です。提案は技術であると同時に、改善し続ける営みです。だからこそ、誰でも取り組み次第で受注率は上げられると考えています。

受注後に「期待を超える」ことが次につながる

提案の最終的なゴールは、一度の受注ではありません。受注後の仕事ぶりが、紹介やリピートという、最も確度の高い次の受注を生みます。

提案で約束したことを必ず守る

受注を取るために大きな約束をして、実行できなければ信頼を失います。提案段階で語ったことは、現実に実行できる範囲にとどめ、確実に守る。当たり前のようで、ここが守られないと次の仕事は来ません。提案と実行の一貫性が、長い信頼を作ります。

成果で語れば、営業しなくても受注が来る

公開後にきちんと成果を出し、相手が満足すれば、その評判は自然と広がります。紹介や追加依頼は、新規の飛び込み営業よりはるかに高い確率で受注に至ります。目の前の一件に誠実に向き合うことが、結局は最も効率の良い受注戦略なのです。成果を出すサイト設計の考え方は、集客できるホームページの作り方もあわせてご覧ください。

当社の見解

当社が公開後まで伴走するのは、それが次の受注につながると知っているからです。成果を出した相手は、次も当社を選び、別の会社を紹介してくれます。受注率70%以上(当社の場合)の背景には、こうした信頼の循環があります。提案力とは、結局のところ誠実さの積み重ねだと考えています。

明日から受注率を上げるためのチェックリスト

最後に、今日の提案からすぐ実践できるポイントをまとめます。一つずつでも取り入れれば、提案の質は確実に変わります。

  • 提案書を書く前に、相手の「本当の課題」を一文で言い切れるか
  • ヒアリングで「なぜ今」「成功の基準は」まで掘れているか
  • 課題定義を相手とすり合わせ、合意できているか
  • デザインや施策を、課題と紐づけて説明しているか
  • 価格を単独でなく、解決する価値とセットで見せているか
  • 3つの選択肢を用意し、相手に選ばせているか
  • 決裁者が誰かを把握し、その不安に先回りしているか
  • 公開後の関わり方まで提案に含めているか

よくある質問

Q1. 受注率を上げるには、まず何から手をつけるべきですか?

提案書の改善より先に、ヒアリングの質を見直すことをおすすめします。受注の成否は提案の前段でほぼ決まるからです。相手の表面的な要望ではなく、「なぜ今それをやりたいのか」という本当の目的まで掘れているか。ここを変えるだけで、提案の説得力は大きく変わります。

Q2. 提案書はどのくらいのボリュームが適切ですか?

ページ数より「相手の意思決定に必要な情報が、過不足なく整理されているか」が重要です。分厚ければ良いわけではありません。現状認識から期待効果まで、相手の頭の中を整理する流れになっていれば、適切な量に自然と収まります。読み手が稟議に使える簡潔さも意識しましょう。

Q3. 価格で競合に負けてしまいます。どうすればいいですか?

価格を下げて対抗するのは、長期的には得策ではありません。価格を単独で見せず、必ず「それで解決する課題と得られる価値」とセットで提示しましょう。投資対効果の文脈に置けば、相手は「高い/安い」ではなく「価値があるか」で判断します。価値で選ばれた案件ほど、関係も成果も続きます。

Q4. 提案しても「検討します」で止まってしまいます。

多くの場合、相手の中に未解消の不安が残っています。とくに、目の前の担当者が社内の決裁者を説得しきれていないケースが多いです。担当者が「上司に通せる」と思える資料――投資対効果が明快で、リスクへの備えもある――を用意できているか、見直してみてください。

Q5. ヒアリングで深い話を引き出せません。コツはありますか?

手段ではなく目的を問うのがコツです。「どんなサイトにしたいか」ではなく「それが実現したら何が変わるか」「うまくいったとどう判断するか」を聞きます。相手自身も整理できていなかった課題が見えてきます。あわせて、その業界の事情を事前に学んでおくと、的を射た質問ができ、信頼も得られます。

Q6. デザイン案は提案時にどこまで見せるべきですか?

デザインだけを単独で見せると、好み勝負になりがちです。「この課題を解決するために、この見せ方にした」という理由とともに提示するのが効果的です。完成形を作り込みすぎる必要はなく、方向性と根拠が伝われば、相手は納得で判断できます。

Q7. 松竹梅の3案は、本当に効果がありますか?

当社の場合、選択肢を用意すると相手の検討が「やるか・やらないか」から「どれにするか」へ変わり、前向きに進みやすくなります。ポイントは、本命を真ん中(竹)に置き、上下で価値の幅を見せること。相手が主体的に選ぶ感覚を持てるため、決定が早まる傾向があります。

Q8. 提案からの受注率は、どのくらいを目標にすべきですか?

業種や案件の性質によって適正値は異なるため、一概には言えません。当社の場合は提案からの受注率70%以上を維持していますが、これはヒアリングから公開後の伴走までを一貫させた結果です。数字を追うより、課題理解と価値提案の質を高めることが、結果的に受注率を押し上げます。

Q9. 相見積もりで競合と並んだとき、何で差をつければいいですか?

機能やデザインの差より、「課題の捉え方の深さ」で差をつけるのが本筋です。相手も気づいていなかった本質的な課題を言い当てられれば、それだけで印象は大きく変わります。あわせて、公開後まで伴走する姿勢を示すと、「納品して終わり」の競合との違いが際立ちます。

Q10. 失注したとき、どう振り返ればいいですか?

感情的に落ち込むのではなく、「なぜ選ばれなかったか」を率直に確認するのが第一歩です。可能なら相手に理由を聞き、価格・課題理解・決裁者対応のどこに原因があったかを切り分けます。失注をデータとして蓄積し改善に回すことが、長期的な受注率の底上げにつながります。

「提案からの受注率を上げたい」その課題、一緒に整理しませんか

受注率70%以上(当社の場合)を支える提案設計の考え方を、御社の状況に合わせて具体的にお話しします。

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